実は、友人に頼まれて、RICOHが開発した、新しいインターネットを利用したサービスを試用し、感想をblogに書いてくれないかということなので、ちょっと遅くなったが書いておこう。
今回試用したのは、「quanp」という名前のついた、インターネット上の文書管理・保存サービスである。
RICOHがインターネットのサービス事業をおこなうというと、あまりなじみがないかもしれないが、実は、企業向けにNetRICOHというサービスを行っていたり、以前は、Ricoh Photonet、もしくは RICOH Imagenetというような個人向け、デジタル写真系のサイトを運営していたこともあり、その歴史はそんなに新しくはない。ただ、知名度が低いのは否めないところだ。
今回、試用したquanpの特徴は、パソコンにクライアントソフト「quanp.on」をインストールしておくと、インターネット上のサーバにオフィス文書や写真を預けることができ、会社や自宅などでそれぞれ違うパソコンからアクセスしても同じように自分の文書にアクセスでき、いちいち文書をUSBメモリにいれて持ち歩かなくても便利というものだ。
ユーザインターフェースがデザイン的にとても凝ったものとなっており、ここは特筆すべきものとなっている。上の図だけではわかりにくいと思うので、できればRICOHのオフィシャルサイトで確認してほしい。たとえば上の図の画面では、高速道路のような道を時間の流れと想定して、時系列に文書を配置して、文書検索を直感的で容易にする工夫だ。この種のアイデアは他のシステムにもあるが、まだまだ新鮮な感じではある。ほかにもいろいろと面倒な文書の整理を直感的でわかりやすくする工夫が施されている。
ここまでは同社の言うように、とてもよい面が多いのだが、私の直感的な感想は、まだまだ魅力が足りないなあというものだ。インターネット上に文書を預けておくことは、たとえばGMailを使うなどでも可能だ。Gmailでは、確かに検索をビジュアルに行える機能はないが、簡単なタグをつけておくことや、文書の内部まで入り込んだ検索などもできるので、文書検索機能ということでいうとどっちもどっちの優秀なしかけも利用可能だ。
生まれたばかりのサービスに対して、きつい言い方をしたが、まだまだこのシステムはこれからだろう。さらに多くの魅力を乗せていって、大きく進化してほしいと感じた。単に文書を保管、検索するという基本的な機能だけでは、ユーザにとって「どうしてもこれがなければだめ」という魅力にはなっていないように思える。今後に期待したいものだ。
たとえば、すでに他のquanpユーザと「ファイルを共有できるサービス」が実装されており、利用可能だ。ただし、現在は試行期間であるから仕方がないとはいえ、事実上、quanpのユーザ間でのみのファイル共有となってしまう。この種の「ファイル共有」のサービスは、まさにquanpをまだ使っていない人にも簡単に仲間に加わってもらえてこそ便利になるだろう。その意味では、SNS系のサービスによくあるような、「quanpユーザ以外の仲間を呼び込む機能」の実装にぜひ期待したい。
なお、4月7日今日現在、フィールドテストの募集は終了している。ご了承願いたい。次のバージョンアップでも同じようにテスターの募集が行われるかもしれないが、不明である。
Link:
リコーのquanpのホームページ http://www.quanp.com/
リコー、直感操作のファイル共有サービス「quanp」をフィールドテスト (日経トレンディネット)
リコー、新タイプのWebサービス「quanp」のフィールドテストを開始 (Impress Watch)
最近のコメント