ではさっそく工人舎のミニノートSA1F00Aのファーストインプレッションを書いてみようと思う。
左:富士通 FMV-P8210 右:工人舎 SA1F00A
1. 筐体
まず、筐体のサイズは今私がメインに使っているFMV-P8210をひとまわり小さくした感じだ。液晶パネル部分が2軸で回転する点もよく似ている。しかし、本機はTabletPCではない。重さはバッテリー込み公称960gで、サイズが小さいせいか、ずっしりと感じるが、私の個人的な基準の1kgを切っている。
CPUにAMDのGeode LX800を搭載し、ファンを搭載しない点も大変大きな特徴だ。大げさに言えば、最近のWin-Telに完全に毒されたパソコン業界に一石を投じる存在(笑)。これこそ真のワンスピンドルマシンである。
たとえばハードディスクを半導体ディスクに交換してゼロスピンドルマシン化しようにも、CPUのファンのために不可能な機種も多い。本機は最近では珍しい、真のゼロスピンドル化改造が可能な機種といえそうだ。(実行するかどうかは別にして、、)
2. ディスプレイ
実は手にするまでに一番心配していた点だ。液晶パネル自体は解像度800x480のものだが、プレビューモードと称するモードで1024x600の表示が可能だ。この状態でも私の目にはあまり画質低下が気にならず、何とか使える感触だ。私自身の目がそろそろ細かい文字に対応できにくくなってきており、実際に文字入力をする際には1024x600のモードは使わず、800x480で使うことが多くなりそうだ。しかし、Webサイトの多く、そして、パソコン用ソフトウエアの多くが、800x480での表示に対応していない現実がある。そのために簡単な操作で1024x600に切り替わる機能が望まれる。この点、本機はFn+F1一発操作で切り替わるので便利だ。地味だがユーザのことをよく考えた設計だ。
3. キーボード
キーボードはストロークのある、意外と打てるキーボードだ。ただ、すこし硬い系で、実際に打つと取りこぼしてしまうことが少し多く、慣れが必要かもしれない。筐体サイズの制約からか記号のキーの位置が特殊だ。特にF9~F12キーがFnキーとF5~F8キーの同時押しになっているところは私のようなATOK使いには残念だ。
4. ポインティングデバイス
ポインティングデバイスにはキーボードの手前にタッチパッドと、ディスプレイの左にスティックポインタが搭載されていて、場面や好みに応じて使い分けることが可能だ。
タッチパッドは私の場合、利用経験が少なく、ThinkPadやP8210のようなキーボードの真ん中のトラックポイントに慣れているので、ときどき無意識にそちらに指が伸びてしまう。これも慣れが必要なようだ。
スティックポインタは、初代のLibrettoを思い出すような感じだが、位置がことなり、まったく別物にみえる。これも慣れが必要だと思う。
5. スロット、IOポート等
本機にはCFカードスロットとSD/MMC/メモリスティックが利用できる3in1メディアカードスロットが搭載されている。なかなか贅沢である。SDカードは大部分が外にはみ出したまま接続するタイプで、筐体にカードを入れっぱなしにはできないタイプだが、それでもアダプタなしでデジカメのメモリカードから写真を取り出すことができ、便利だ。SDHC、SD I/Oの両規格にも対応しているそうだ。
VGAポートは筐体に標準の15ピンミニsubコネクタが搭載されている。このサイズのパソコンでは、筐体にはもっと小さな特殊コネクタで実装され、アダプタが別途必要になる機種も多いが、標準のコネクタで余計なアダプタを不要とした設計は褒めてもいいと思う。
USBポートは左右にそれぞれ1個ずつ搭載されている。当然、2.0の規格である。また、100BASE-TX対応のLANポートも搭載しており、出張先のホテルなどでの接続に便利そうだ。
bluetooth(2.0+EDR)と無線LAN(802.11b/g)が最初から内蔵されているのも大変うれしい。というか、これは今時当たり前のスペックと考えたいものだ。bluetooth非搭載機種が存在するなんて日本のPC市場がどうかしている。キーボードからbluetoothと無線LANを独立にON/OFFできるのと、ON/OFFがわかりやすいインジケータつきなのもとてもよい。特に、無線LANは起動時に必ずOFFになるようなので、最初戸惑ったが、わかればなんのこともない。
オーディオ系も忘れてはならない。ヘッドフォンとマイクのコネクタはキーボードの手前、筐体前面にあり、操作しやすい。
当たり前のことのようだが、コネクタの配置がとても理にかなったところになっており、大変好感が持てる。
まとめ
以上述べたように、安かろう悪かろうではなく、本機は基本に忠実にしっかりと設計されていると感じた。結構お勧めできるマシンだ。こんなにコストパフォーマンスの高いWindowsXP搭載ノートPCを他に見たことがない。
もちろん、ユーザを選ぶ部分はある。バリバリの3Dを使った最新のゲームには力不足だろう。ビデオ編集のようなCPUパワーの必要なアプリケーションにも向かない。しかし、本機は出張の多いビジネスピープルには向いていると思う。メール、Web閲覧、オフィス文書閲覧(一部作成)、プロジェクタ利用を前提としたプレゼンなど、私の業務に必要な部分はしっかりカバーしてくれそうだ。しかも、息抜きのDVD鑑賞ぐらいのパフォーマンスもしっかりもっていてくれる。WindowsVistaは動かないかもしれないが、出張用のパソコンとしてはなかなか出来がよいのではないかと思う。
p.s. このエントリーはSA1F00Aで書いてみた。
どーも、初めてお邪魔します。
私も実機を見ずに発注(HDD80Gモデル)してしまった人の一人ですが、印プレを読ませてもらって、ちょっと安心です。
私のは年末に届く予定ですが、今後のインプレ、ダメだしを楽しみにしています。
投稿情報: taskiss | 2006.12.08 09:01
taskissさん こんばんは!
はじめまして。
参考になりましたか、よかった。
まだ私、設定している時間がなくて、SA1F00Aはほとんどお留守番にしてしまっています。もったいない。早く設定作業を進めないと、、。(^^;
投稿情報: kei_1 | 2006.12.08 23:06
kei_1さん
昨晩、同士に実機を見せてもらいました。
バンコクのモバイルおじさんたちにも好評でしたね。
他サイトや2ちゃんねる等でも言われてる『キー入力が・・・』の点で、ちょっと癖があるようですが、自分のものとして使っていけばたいした問題ではないようです。しかし、とてもよく出来た造りをしているし、モニターも予想以上にキレイで安心しました。
では。
投稿情報: taskiss | 2006.12.10 13:31
taskissさん こんばんは!
ご覧になりましたか。
確かにキーボードは少し慣れが必要かもしれません。ちょっと癖がありますね。
早く届くと良いですね。
投稿情報: kei_1 | 2006.12.10 23:53
はじめまして。SAで具具っていてここにw
無線LANとブルートゥースですが、常時ONにしておきたければBIOSメニュー内で個別に常にON、常にOFF(デフォルトは常にOFF)に設定できましたよ。でわでわ。
投稿情報: 通りすがり | 2006.12.12 01:24
通りすがりさん こんばんは!
通りすがりだからレスつけても読んでくださるかわからないけど、、(^^;
BIOSで設定が出来る情報ありがとうございます。まだそんなところも触っていない私です。(^^;
また気楽にコメントをおねがいします。
投稿情報: kei_1 | 2006.12.13 00:17
ちょっと時間がたっていますが、ゼロスピンドル化したのでコメントします。
本体はタッチパネルを実装したSA1F00Rです。秋葉原で2.5インチ32GBのSSDが出回りましたので、
そいつを買ってきて換装したらできあがりです。
換装前にC:\KjsフォルダのコピーとXPのライセンス情報(OEMBIOS等)をバックアップしておいて、
換装後にXP Homeを一から入れてドライバとライセンスを戻しました。
気持ち悪いくらい静かです。 ^^;
投稿情報: RIKI | 2007.05.13 17:43
RIKIさん こんばんは!
SSDに換装されたんですか。気持ち悪いくらい静かというのは、とても興味深いです。(^^)
レポートありがとうございました!!
投稿情報: kei_1 | 2007.05.15 00:59